
プロツアー・オースティンにようこそ! 今回の速報チームはビル・スターク、リッチー・ハーゴン、ジョシュ・ベネット、モンティ・アシュリー、クレイグ・ギブソン。オースティン・コンベンション・センターからお送りします!
by ビル・スターク
毎回プロツアーの前に行なわれるラストチャンス予選は、おそらく間違いなく世界最難関のプロツアー予選だろう。この強烈きわまりない大会は、トップ4にたどり着いたプレイヤーだけに翌日のプロツアーへの門を開いてくれる。翌日というよりも、ほんの数時間後の。ゼンディカーがスタンダードに登場したので、カバレージ・チームはこのデッキリストというお宝を見過ごすわけにはいかなかった。
Chas Hinkle
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Jose Pineda
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Rocky Gonzalez
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Ricky Sidher
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Brian Hart
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Kevin Amber
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Corey Lege
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Guillermo Mercado
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by リチャード・ハーゴン
これはオースティンの会場前にあるモンゴル風バーベキュー・レストランのスローガンだ。そして、これは楽しさが爆発しているこのエクステンデッド環境にも当てはまる。爆発しているのは、楽しさだけでなくゼンディカーもだ!
エクステンデッドのような成熟した環境には、新しいセットが入ったからと言ってそうそう影響がある物ではない、そう思っていたかも知れない。しかし、ゼンディカーの10%のカードはこの初日のそこかしこで使われていた。たとえば次のようなカードたちだ。
4/6の絆魂持ち、というだけなら、《フェリダーの君主/Felidar Sovereign》はそれほどのものではない。しかしそこに警戒が加わると、ちょっとしたものだ、では済まないレベルに駆け上がる。それに加えてライフが40点以上になると勝ちという条項まである。これを《砂の殉教者/Martyr of Sands》デッキに入れると……
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《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》はマナ・コストが重い。何と9マナだ。しかし発掘デッキは彼女を唱えるなんて事はないから気にしない。単に《戦慄の復活/Dread Return》で釣ってくるだけだ。《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》ならコストは軽く、上陸が効けばやっかいなことになる。1マナでZooとの相性もよく、フェッチ・ランドのある環境なら上陸能力はスタンダードよりもさらに活躍できるはずだ。
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公正中立を旨として報じるなら、ここで最初に伝えるカード《書庫の罠/Archive Trap》を唱えたところを直接みたことは一度もない。疑り深いマテイ・ザトルカイによると、「13枚削る」レアは《面晶体のカニ/Hedron Crab》ミル・デッキに入っているという。その《面晶体のカニ/Hedron Crab》は多くのプレイヤーに使われ、無尽発掘デッキの最高の初手となっている。
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次に挙げるのは2種類のスフィンクスだ。発掘デッキに《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》を入れると、3枚引いたら墓地がどんどん肥えていくのだ。ギョーム・ワフォ=タパは古典的な白青コントロールを使っているが、そこに入れられている5/5の《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》は、被覆持ちなので除去しにくいのだ。
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言うまでもなく、《恐血鬼/Bloodghast》は最初から注目を集めるカードだった。シールド・デッキ戦に始まり、ここでは、《戦慄の復活/Dread Return》のお手軽な贄としてはもちろん、ただの2/1攻撃クリーチャーとしても発掘使いたちのお供を務めている。しかし、その発掘デッキにとって迷惑な黒も環境に入り込んできた。それが《貪欲な罠/Ravenous Trap》だ。{2}{B}{B}でなく{0}で、相手の墓地を綺麗に空っぽにしてしまう、待ち望まれていた発掘対策カードだ。
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黒にはあの20/20の破壊されないマリット・レイジ・トークンを出す《暗黒の深部/Dark Depths》デッキを強化するというカードも2枚ほどある。《不気味な発見/Grim Discovery》はそのデッキの潤滑油になりうるが、それより強烈なのは《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》だ。この2/1先制攻撃クリーチャー……そんなことはどうでもよくて、これの能力でパーマネントからカウンターをすべて取り除くことが出来るのだ。それこそ、《暗黒の深部/Dark Depths》からでも。
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今朝のデッキリストには驚くほどに大量の赤のカードが顔を並べていた。もっとも印象的だったのは新プレインズウォーカーの《燃え立つチャンドラ/Chandra Ablaze》。赤単色でなら、《燃え立つチャンドラ/Chandra Ablaze》の1つ目の能力で4点ダメージを与えるのに充分な数の赤の呪文が入っていると判断したらしい。構築では、彼女の究極能力は――言うまでもなく、ゲームを終わらせる。
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《燃え立つチャンドラ/Chandra Ablaze》はお世辞にも軽い呪文ではないが、これから挙げる3つはどれも軽くて強烈だ。《ゴブリンの先達/Goblin Guide》は赤単の1手目にすぐに採用された。1マナで速攻持ちの2/2という時点で、どんな環境でも強いのは当然だ。《罰する火/Punishing Fire》は一見するとそれほどではなく、2マナで2点という数字は既存のバーン呪文に比べても劣る比率である。ただし、《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》と組み合わさると話は変わってくる。未来予知のこの土地は、対戦相手にライフを得させる効果がある。――となると? 1マナ払ってライフ1点を相手に得させることで、《罰する火/Punishing Fire》が帰ってきて他への火力になってくれるのだ。1/1の先制攻撃クリーチャー《板金鎧の土百足/Plated Geopede》は、フェッチ・ランドのある環境では上陸がフル回転することになる。
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最後に紹介する赤のカードは、とにかくデカくて、《超起源/Hypergenesis》コンボ・デッキに真っ先に投入されたという一品だ。6マナで出てくる《ヘルカイトの突撃者/Hellkite Charger》は巨大な飛行クリーチャーで、速攻のおかげで大量のクリーチャーを出してゲームを終わらせようとするデッキでも活躍できる。
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唯一目立っていない色の緑でさえ、《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》は存在感を示している。ゼンディカーの探索カードに着目し、《風景の変容/Scapeshift》と合わせた興味深いデッキもあった。このコンボの話はすぐ後で。
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ゼンディカーのアーティファクトは、個人的に気にしていた《探検の地図/Expedition Map》も含めて、目立たなかった。土地の方は、上で挙げた《風景の変容/Scapeshift》デッキに《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》が入っていた。となると、土地があなたのコントロール下で戦場に出たときならいつでも、他に5つありさえすれば、3点のダメージを与えることができる。《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》を使って土地を出し、《風景の変容/Scapeshift》で土地を一塊生け贄にして、代わりに山をごっそり持って来る。その分だけ3点のダメージが出て、あなたは死ぬ。うん。
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見落としがあるような気がする、うーん……。
《乾燥台地/Arid Mesa》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
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ああ、そうだ、フェッチ・ランドだ。もちろんこれはエクステンデッドでも有効だとも。
by リチャード・ハーゴン
市場調査は完璧な道具ではないが、道具ではあり、使いようによってはいい結果を導いてくれる。プロツアーの夜、我らが調査班は空調の効いたトーナメント会場で調査を行ない、様々な話題についての回答をかき集めてきた。これがその結果である。
| トップ8に《超起源/Hypergenesis》デッキはいくつ残ると思う? | |
| 0 | 50% |
| 1 | 40% |
| 2 | 7% |
| 3 | 3% |
| 4以上 | 0% |
2週間前、《超起源/Hypergenesis》がコンボデッキの第一候補としてよく知られていたことを考えると、この結果は意外だろう。世界中に広がり、テストを重ねるうちに、多くのグループはそれぞれに《暗黒の深部/Dark Depths》+《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》という組み合わせにたどり着いていたのだ。《超起源/Hypergenesis》に求めていたものを、それ以上に提供してくれるこのデッキに流れたと考えていいだろう。
| あなたはエクステンデッドの調整として何回マッチを行なった? | |
| 0 | 2% |
| 1-25 | 28% |
| 26-50 | 32% |
| 51-75 | 10% |
| 75-100 | 0% |
| 100+ | 28% |
まったく調整していないプレイヤーがいたということに勇気づけられるべきか、それとも限界を求めて調整を繰り返したプレイヤーが多くいたということを喜ぶべきか。あきらかなのは、多くゲームを行なうほどに、1人で回しているだけでは体験できなかった状況を体験しておくことができるだろう。見た事があろうがなかろうが、奇妙な状況において素早く考えをまとめることは重要である。
| このプロツアーに向けて、ドラフトを何回調整した? | |
| 0 | 7% |
| 1-5 | 17% |
| 6-10 | 42% |
| 11-15 | 23% |
| 16-20 | 0% |
| 20以上 | 11% |
マジック・オンラインをテストのために使えないので、ドラフトの回数のほうが構築よりも少なくなるのは当然だろう。しかし、この状態がここ数日で変わってきているのも予想の範囲だろう。プレイヤーたちはホテルの部屋に集まり、パックを次々と剥いて慣れていないフォーマットを理解しようとしていたはずだ。全16ラウンド中でドラフトはわずかに6ラウンドだが、20回以上プレイしたという11%のプレイヤーはこの部門での究極を求めているのだろう。
| ドラフトの戦略として同盟者デッキを最初から狙ったことは何回ある? (単に「偶然」いいクリーチャーが引けて同盟者デッキになった場合を除く) | |
| 0 | 70% |
| 1 | 25% |
| 2 | 5% |
正直なところ、この回答は予想外だった。プロツアーはガチプレイヤーばかりで、決めうちをすると最悪の結果をもたらすことがある。特にこういったシグナルを見逃さないことが勝利の鍵になる形式ではなおのことだ。しかしながら、この誰も狙っていない戦略を狙えば、他の7人を出し抜いて強力な同盟者デッキを組み上げることができる可能性がある。狙い目だ。
次に、キッカーについて。もちろん、呪文がキッカーされるかどうかはゲームの状況によるが、どの呪文がキッカーされがちだと考えているか、ということについて質問してみた。
| 下記の各呪文、どれぐらいの割合でキッカーされる? | |||||
| ほぼいつも | 大体は | 半々 | あまりしない | めったにしない | |
| 《勇敢な防御/Bold Defense》 | 25% | 22% | 15% | 19% | 19% |
| 《複製の儀式/Rite of Replication》 | 25% | 10% | 18% | 27% | 20% |
| 《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》 | 70% | 20% | 4% | 6% | 0% |
| 《噴出の稲妻/Burst Lightning》 | 11% | 11% | 28% | 24% | 24% |
| 《カビのシャンブラー/Mold Shambler》 | 37% | 16% | 18% | 16% | 13% |
| 《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》 | 15% | 32% | 46% | 7% | 0% |
| 《征服者の誓約/Conqueror's Pledge》 | 0% | 0% | 0% | 0% | 100% |
7マナもかかるにもかかわらず、プロの半数近くが《勇敢な防御/Bold Defense》はキッカーするものだと考えていることは驚きだ。4分の1の人は9マナの《複製の儀式/Rite of Replication》にも貪欲で、大量のコピーを出したいらしい。《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》をキッカーする人が多いのは驚くには当たらないが、70%のプレイヤーはこれを7マナの呪文として扱っているわけだ。《噴出の稲妻/Burst Lightning》は評価が分かれたが、ほぼ半分はこれを《ショック/Shock》だと評価していると言うことになる。《カビのシャンブラー/Mold Shambler》は、キッカーしなければ平凡な呪文と言うこともあって、《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》ほどではないにせよ「ほぼいつも」キッカーされると思っている人が多いようだ。《オラン=リーフの出家蜘蛛/Oran-Rief Recluse》の評価が分かれているのは、1/3到達持ちクリーチャーというだけでも充分だからだろう。《征服者の誓約/Conqueror's Pledge》……は、まあ、うん、どれぐらいちゃんと答えてくれているかを調べる「コントロール」問題だ。そして、この回答は正常を示している。
| 今回のプロツアー、あなたはどれぐらいの結果を残せる? | |
| 初日落ち | 15% |
| 2日目進出 | 20% |
| トップ64 | 27% |
| トップ32 | 22% |
| トップ16 | 7% |
| トップ8 | 9% |
| 優勝 | 0% |
自己評価が正しいとしたら、優勝者へのインタビューはしなかったということになる。回答者の中には、年間最優秀プレイヤー・レースのトップ6は含まれていない。彼らが入っていたらまた答えは違っていたかも知れない。2日目に残れないだろうと思っているプレイヤーが15%もいるが、実際2日目に進めるのは半数にも届かない人数なのだ。トップ8に関しては、回答者の9%、40人ほどのプレイヤーがトップ8、日曜日に残ると思っている。……ともかくも、この数字が信頼には足らないということだ……。
by Bill Stark
印刷されたその瞬間から、ゼンディカーの罠はみんな大好きアクバー提督の叫びのタネにされてきた。プロツアーのアリーナという頂上の大舞台であっても、マジック界最高峰のプレイヤーであっても、この言い回しをなぞるものなのだ。「罠だ!」という顔をプロの世界、リミテッドの第1戦からチョイスしてみよう。
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| マーク・ディクタス:「(鞭打ちの)罠だ!」 |
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| 八十岡翔太:「(業火の)罠だ!」 |
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| ブランドン・シュイール:「(貪欲な)罠だ!」 |
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| ルイス・スコット・バルガス:「(2枚の鞭打ちの)罠だ!」 |
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| ゲーリー・トンプソン:「(コブラの)罠だ!」 |
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| ジェラード・ファビアーノ:「えーと……うん、 あ……うん。よくやったよ、ファビアーノ……」 |
by マーク・カルデラロ
さて、そろそろエクステンデッドにも慣れてきたことだろう。問題になるカードもわかったし、存在するデッキもわかった。ズーの基本になるカード、発掘の切り札、《砂の殉教者/Martyr of Sands》は他の白カード(そして《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》)と組み合わせるといい、《暗黒の深部/Dark Depths》は、ある種の吸血鬼と熱烈に愛し合っている。アーキタイプを選ぶだけでエクステンデッドが極められるわけじゃない。数枚のカードを入れ替え、枚数を調節するだけで、デッキはまったく別物に生まれ変わる。ここではその変更について触れるとともに、プレイヤーたちにカード選択について聞いてみることにしよう。
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よく知られているナヤ・ズー(Naya Zoo)には多くの亜種が存在する。《野生のナカティル/Wild Nacatl》は大抵入っているが、それにも変更候補があるのだ。発掘が増えてきたので、ルール変更によって出番を無くしたと思われていた《モグの狂信者/Mogg Fanatic》が復権してきた。《翻弄する魔道士/Meddling Mage》はスタンダードに帰ってきて存在感があったとは言い難かったが、上位卓のサイドボードにささっているのが見かけられた。昨年の新人王候補タイラー・マンタイによれば、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》に入れ替えるのは非常に上手くいったという。《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》もサイドボードに入っていたが、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》のほうが多くのデッキを止めることができた。《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》で《超起源/Hypergenesis》には対処できるが、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》ならたとえば「《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》」「《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》」「《召喚士の契約/Summoner's Pact》」「《戦慄の復活/Dread Return》」と宣言することで、他のいろいろなコンボデッキを止められる。それで得た1ターンは、ナヤ・ズーがゲームを決めるのに決定的だ。
ゴーデニス・ヴィデュギリスとマジソンの仲間たちのナヤ・デッキはより前向きだ。前シーズンに戻ったかのように、このデッキには《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》と《長毛のソクター/Woolly Thoctar》、そして《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》が詰め込まれている。プロツアー本戦で戦うヴィデュギリスは、特に《樹上の村/Treetop Village》に住む猿と肩を並べて戦う時、中盤にもっと強力なものが必要だと感じている。
《暗黒の深部/Dark Depths》デッキ(あるいは「暗黒デッキ/Dark Deck」)にも無限のバリエーションが存在する。どんな60枚構成がベストなのだろうか? 色は? 青黒は当然選択肢だが、《北方行/Into the North》を入れた黒緑はどうだろう? 黒赤、黒赤緑、という選択もありうる? ルイス・スコット・バルガスは伝統的な青黒を選び、《苦花/Bitterblossom》を入れた。この部族エンチャントをメインデッキに4枚入れ、2枚コンボまでの圧力にすることにしたのだ。ニュージャージーのジェラルド・ファビアーノもまた青黒を選んだが、メインに2枚の《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》を投入した。LSVと違って、ファビアーノは《苦花/Bitterblossom》をサイドボードに下げ、サイドボードには《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》も投入した。暗黒デッキで《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を使っているプレイヤーは多くはないが、ジェラルドはそうすることを選んだ。また、彼は《知識の渇望/Thirst for Knowledge》を入れてもいいが《金属モックス/Chrome Mox》を引きすぎることは避けたいとも言っていた。
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ニューヨークやニュージャージーから、もう一つ青黒暗黒デッキを見てみよう。クリス・ラハマン、スティーブ・サディン、ブラド・ネルソンは《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》+《弱者の剣/Sword of the Meek》コンボを組み込み、攻撃手段を増やしていた。ラハマン曰く、既に《暗黒の深部/Dark Depths》は警戒されているので他の手段も必要だという。確かにその通りで、攻撃手段が2つあれば1つよりはいいに決まっている。
氷雪土地をまき散らす方法はいろいろあるが、一番気に入ったのはテイラー・ウェッブの3色暗黒デッキだ。《風景の変容/Scapeshift》が既に土地を出す方法として確立しているが(アンドリュー・ミュラーの《風景の変容/Scapeshift》Zooなど)、これに《風景の変容/Scapeshift》コンボ(《風景の変容/Scapeshift》+《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》+《山/Mountain》)を組み合わせることでこの緑のソーサリーが一石4鳥に働くようになる。ウェッブのマナを安定化させ、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》を探し、《暗黒の深部/Dark Depths》を探し、《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death's Storehouse》を探すのだ。そう、この4つを同時にこなすことができる! 多様性はマジックの特長だが、ウェッブのデッキこそまさに多様性の権化だと言えるだろう。
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あなたの好きなアーキタイプを選び、その構成についても好きな物を選んで、その相性を見てみよう。この形式の自由度の高さが見て取れるはずだ。しかし、どういうデッキを組むべきかと悩んでいる人には朗報がある。このプロツアー・オースティンが終われば改良点も見えてくるだろうし、そうなってこそ自由度はさらに高まるのだ!
by モンティ・アシュリー
プロツアー・オースティンはただプロツアーだけがあるわけではない。中央にプロツアーという大きな大会を据えた、マジックのコンベンションなのだ。
併催大会エリアでは、大量の小さなトーナメントが週末中ひっきりなしに開催されている。参加費5ドルで、4人戦のエルダー・ドラゴン・ハイランダー。(もちろん金曜日に)スーパー・フライデー・ナイト・マジック。マジックのトリビア使いマーク・ローズウォーターによるクエスチョン・マークのコーナー。日曜にはFrom the Vault: Exiledのアンカットシートを賭けた参加費15ドルのレガシー・トーナメントまでも開催されるのだ。
マジックをプレイする「だけ」ではもったいない。アーティスト・コーナーではダン・スコットとロブ・アレキサンダーがサイン会を開き、プリントを販売している。もし望むなら、ロブ・アレキサンダーのラヴニカ2色土地のプリントを40ドルで買うこともできる。
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また、プロツアー・オースティンのビデオ・コンテストを土曜日の午後7時に開催する。既にエントリー作品が2つ届いており、それについては……ここで紹介しよう!
自分ならもっとうまくできる、という人がいれば、オースティンのコンベンション・センターに来て、カメラを見て、証明してくれ!
by モンティ・アシュリー
カバレージブログをご覧の皆さんは、高レベルのマジックの大会についてのブログが好きに違いない。となれば、このブログだけでは物足りなくなることもあるかもしれない。たとえば、〔不正なデッキリスト〕で【ゲームの敗北】を受けたのは何人いるのか、とか、サイドボードに16枚入れてしまっていた人はいたのか、いたならどういう罰則が与えられるのか、とか、フェッチ・ランドで誘発型能力を4回やっちゃった人がいるのか、とか。
そんな皆さんに朗報がある。リキ・ハヤシの管理するジャッジ・ブログがあるのだ! dcifamily.orgでは、プロツアー・ホノルル(ジャッジがスカイダイビングしていたりカラオケしていたりするぞ)、グランプリ・プラハ(お城やカテドラル、産業会館)、そして東アジアの各種大会(ドラフトでの時間の数え方、そして美味しい寿司について)のブログが公開されている。
リキはこの週末にもこのブログを更新し続け、ジャッジの視点でプロツアーについて語ってくれるだろう。プロツアーのブログに物足りなければ、今すぐチェックだ!
by ビル・スターク
エクステンデッドが興奮に溢れた環境だというのは既に示されたとおり。第5回戦までのエクステンデッドが終わり、ドラフトを始めるこの時点で全勝だったのは10人。この10個のデッキリストはこの週末中に、それ以外のデッキリストも後日公表するとして、まずはそれらのデッキのアーキタイプを分析してみよう。
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| ブライアン・キブラー(中央)は 5-0でドラフトに突入した |
トップを走るのはほぼ同一のデッキを使っている2人のアメリカ人。プロツアー・ホノルルでトップ8に入賞したブライアン・キブラーと殿堂者ベン・ルービンだ。彼らのデッキはナヤ系ズーで、独特の添え物がされている。《悪斬の天使/Baneslayer Angel》は当然警戒されているが、《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》+《罰する火/Punishing Fire》エンジンで相手の足下を掬うことができる。ミラーマッチでも長期戦になれば、《罰する火/Punishing Fire》が活躍して相手のクリーチャーをすべて除去してしまうのだ。《罰する火/Punishing Fire》を唱えた後、《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》をタップして{R}を出せば、相手にライフを得させて《罰する火/Punishing Fire》の誘発型能力を誘発させると同時に、そのために必要なマナを出すこともできる。要はそれだけで墓地から《罰する火/Punishing Fire》を回収できるということだ。
アメリカ人2人に追走する、3位と4位はともにブラジル人だ。アメリカ人コンビと同じように、パウロ・ヴィッター・ダモ・ダローサとパウロ・コルテスの2人もよく似たデッキを使っている。青黒《暗黒の深部/Dark Depths》だ。多くのプレイヤーが《暗黒の深部/Dark Depths》と《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》の相互作用に囚われていたが、この2人のパウロは忍耐と精密なプレイで他の同デッキから頭1つ抜け出していた。単にコンボを早く決めるだけでなく、腰を据えて戦い、長期戦になっても大量に入っているタフネス1のクリーチャーで相手をビートしきれるように組み上げたのだ。こうすることで、ゲームを決められるときにだけコンボに挑戦すればよくなったわけである。
5位につけたのはマレーシア代表のキン・レオン・チョン。彼が使っているのはネクスト・レベル・ブルーで、打ち消し呪文を使って《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を出すという戦略だ。このデッキには《流刑への道/Path to Exile》や《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》も入っており、安全性を担保している。6位につけているハンター・バートンはズー使いのアメリカ人だが、他のズーとは少し違った味付けがされている。《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》や《板金鎧の土百足/Plated Geopede》と、《乾燥台地/Arid Mesa》や《沸騰する小湖/Scalding Tarn》といったゼンディカーのフェッチ・ランドを組み合わせて活用している。それに加えて、レッド・デッキ・ウィン時代の《溶鉄の雨/Molten Rain》も投入されている。より攻撃的なコンボデッキに対して上陸クリーチャーを活用する時間を稼ぐことが出来る土地破壊は今週末の焦点になりそうだ。
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7、8位のプレイヤーもまたズー使いで、カナダのマーセル・アンジェロ・ザフラ、日本の浅原晃が並んでいる。マーセルのデッキはズーの黒混じりバージョンで、《闇の腹心/Dark Confidant》、《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler》、《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》が入っている。長期戦になれば相手の足を止めるのに充分な威力を発揮してくれる強力な呪文群だ。他方、浅原のデッキは標準的なズーで、強力な1マナクリーチャーや《タルモゴイフ/Tarmogoyf》、《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》、それに加えて火力呪文が入っているスタイルだ。特徴的なのは1枚だけ入っている《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》だろう。
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5-0で駆け抜けてきたデッキのほとんどには1つの共通点がある。それは、ゼンディカーのカードを活用していると言うことだ。しかし、イタリアのサミュエル・エストラッティは見事にこの例外だ。彼が使っているのは前シーズンのプロツアー・ベルリンで用いられていた赤単デッキのほとんど完コピー(オンスロートのフェッチ・ランドがゼンディカーのフェッチ・ランドに入れ替わっただけ)で、全勝の9位に名を連ねている。《虚空の杯/Chalice of the Void》と《血染めの月/Blood Moon》のコンボが環境の他のデッキを足止めし、その間に強力なクリーチャーで殴るという戦略の強さを証明したことになる。もちろん、《災難の大神/Deus of Calamity》が1ターン目に出よう物なら完璧だ!
最後に、オランダ代表がヨブ・マーテン。彼はこの日勝ち残った唯一の神話プレイヤーで、わりと標準的な神話デッキを用いている。細かなわざとしては、《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》が2枚入っていることが挙げられる。ある種のマッチアップにおいては、これで稼ぐ時間が有効なこともあるし、また、相手のサイドボードを紛らわせることもできるのだ。
全勝デッキはこれまで。5回戦終了時点で土つかずのプレイヤー10人が、8種類のデッキを使っていた。プロツアー・オースティンのエクステンデッドは、近年まれに見るエキサイティングな環境なのだ!
by モンティ・アシュリー
プロツアー・オースティン開始前の年間最優秀プレイヤー・レース上位8人の点数はこうだ。
| POY順位 | 名前 | プロポイント |
| 1 | 渡辺雄也 | 50 |
| 2 | 斉藤友晴 | 48 |
| 3 | Gabriel Nassif | 47 |
| 4 | Luis Scott-Vargas | 45 |
| 5 | 中村修平 | 44 |
| 6 | Martin Juza | 42 |
| 7 | 三田村和弥 | 37 |
| 8 | Paulo Vitor da Rosa | 33 |
彼らの初日最終順位はこうなっている。
| POY順位 | 名前 | 順位 |
| 1 | 渡辺雄也 | 2nd |
| 2 | 斉藤友晴 | 13th |
| 3 | Gabriel Nassif | 144th * |
| 4 | Luis Scott-Vargas | 180th * |
| 5 | 中村修平 | 72nd |
| 6 | Martin Juza | 5th |
| 7 | 三田村和弥 | 19th |
| 8 | Paulo Vitor da Rosa | 6th |
見ておわかりの通り、年間最優秀プレイヤー・レース上位8人のうち3人がこのプロツアーでもトップ8に残っている。2日目終了後にはどうなるだろうか? 明日をお楽しみに!