Event_Coverage


プロツアーオースティン 第14回戦:《梅澤の十手》効果


Marc Calderaro




ラファエル・レイビー(バント) 対 マーセル・ザフラ(ダークZoo)

 そう、カナダのMarcel Zafraはうまくやってかなきゃならない。現在はライバルたちより3ポイント上に位置しているが、第14回戦の対戦相手は現在5位につけている殿堂入りプレイヤー、Raphael Levyだ。君がどんなに上手だとしても、Levyをテーブルの向こうに回して上手くやれるだなんて思えるだろうか。あとはそうだな、彼は元々フィリピン出身なんでカナダってのは本当のところじゃないな。だから最初に述べたことで合ってるのは名前だけってとこ。


第1ゲーム


Raphael LevyとMarcel Zafraは男どもを惹きつける。
少なくとも女性も1人観戦していることはその評価に付け加えるべきだが。

 Zafraはアリーナ席に慌ててやってきて、急いでシャッフルを始めた。双方ダイスを振り終わり初手をキープ、Levyはよく考えてから《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》を置いてゲームがスタート。そしてZafraが《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》からスタートしてフェッチを並べたので、Levyは何を持ってくるかことさら考える必要があった。手札には《バントの魔除け/Bant Charm(ALA)》《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》《神聖なる泉/Hallowed Fountain(DIS)》《島/Island(ZEN)》《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》があり、序盤のマナ計画を確定しなければならない。彼は結局《繁殖池/Breeding Pool(DIS)》を出して自分のターンを迎えることにした。LevyのバントデッキはZafraのナヤZooより遅いが、序盤の猛獣ラッシュを食い止めればただちにゲームをものにできる。

 フレンチマンは2ターン目に群れ魔道士を出し、その後新たに登場した《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》を《バントの魔除け/Bant Charm(ALA)》でボトムに送った。とはいえZafraはそれを問題とはせず、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を出しつつクリーチャーによる攻撃でライフが17-13と有利な状態を作る。このときLevyは土地をどうするかについてまだ自問を続けていたが、《樹上の村/Treetop Village(10E)》をセットして群れ魔道士でアタックすることにした。

 群れ魔道士に《部族の炎/Tribal Flames(TSB)》を使われたLevyは《否認/Negate(M10)》でそれを否認し、2枚ある《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》のうち1枚をプレイしているのでタップアウト。Zafraは後に引かず、攻撃の後に2枚目の《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を展開した。

 ライフはお互い8ではあるが、Levyは《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》1体で《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》と2体の《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》に向かい合っている。《樹上の村/Treetop Village(10E)》を含んだ土地5つを立てた状態でZafraにターンを返した。ZafraがアタックしてきたところでLevyは《樹上の村/Treetop Village(10E)》を起動して猿人を猿人にぶつけ、ゴイフには群れ魔道士を充てた。《樹上の村/Treetop Village(10E)》を狙った《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》は《マナ漏出/Mana Leak(9ED)》したLevyだが、Zafraの3体目のゴイフに対抗するためのドローは何もなかった。

Zafra 1 - 0 Levy

 Levyは追加の《流刑への道/Path to Exile(CON)》と《神の怒り/Wrath of God(10E)》で除去を強化した。Zafraもまた《バントの魔除け/Bant Charm(ALA)》やその他の戦闘トリックに対抗するために、《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》と《モグの狂信者/Mogg Fanatic(10E)》を抜いて《翻弄する魔道士/Meddling Mage(ARB)》と《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg(LRW)》、《流刑への道/Path to Exile(CON)》を追加した。


第2ゲーム


とぼけた表情だが、彼は本当に緊張していた。

 Raphael LevyはこのマッチでMarcel Zafraに勝つことにそれ以上の意味があった。31ポイントの座にあって、残り数ラウンドがいかに重要かということだ。そしてここにきて初手に土地が1枚もなかったときLevyはまさにうめいたが、Zafraもマリガンにお付き合いとあいなった。そして双方6枚の胡散臭い手札をキープする。Levyのマナは緑マナしか見えず、Zafraはといえば土地1枚だ。一見気楽そうなZafraだが、そのカードさぐりには緊張が見て取れる。一方Levyは落ち着き払ってゲームに入った。

 フェッチランドからの《踏み鳴らされる地/Stomping Ground(GPT)》と2/2になった《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》に対してLevyが出した緑マナは《樹上の村/Treetop Village(10E)》。そしてドロー・ステップが彼に《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》を振る舞ったことで手札の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》《呪文嵌め/Spell Snare(DIS)》が使えるようになり、Levyはほっと一息ついた。

 Zafraは2枚目のナカティルを見いだすが2枚目の土地が引けず、ただそれをプレイして「アタック、エンド」。Levyのドロー。手札には《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》と《梅澤の十手/Umezawa's Jitte(BOK)》があるが、《森/Forest(ZEN)》と2枚目の《樹上の村/Treetop Village(10E)》、どちらから出すか決めかねているようだ。熟考したLevyは最終的に、”タップ状態で戦場に出る”《樹上の村/Treetop Village(10E)》をセットし次のターンに《梅澤の十手/Umezawa's Jitte(BOK)》を使う準備を整え、賛美持ちの猫でアタックした。

 ライフこそ11で並んでいるが、《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》を出すのみで2枚目の土地を引けないZafraは群れ魔道士に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte(BOK)》がつくことを認めざるを得ない。しかし《梅澤の十手/Umezawa's Jitte(BOK)》が起動すればライフは同じではなくなるし、《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》もチャンプしかない。

 《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》、《翻弄する魔道士/Meddling Mage(ARB)》、《梅澤の十手/Umezawa's Jitte(BOK)》といった強力なカードを手札にすべてかかえているZafraだが、相変わらずいまだに土地を引けない。さらに数ターン後に待ちわびた2枚目の土地を見いだすが、それが戦場に出たあとにLevyがさっと《呪文嵌め/Spell Snare(DIS)》を見せるとZafraは場を片付けた。

Zafra 1 - 1 Levy


第3ゲーム

 ZafraはLevyがいい初手だと想定して、平凡な初手から乗り換えるが、来たのはその表情のひきつりから読み取れるひどい6枚。殿堂入りプレイヤーの初手はやはり良く、彼はそれを悟っていた。


額にかざしてる手かい? ゲーム中ずっとだな。

 そしてZafraに出来たことが《神無き祭殿/Godless Shrine(GPT)》をタップ状態で出すだけだったのでLevyはご機嫌だ。Zafraの1/2の《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》は一見よさげだが、《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》が《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk(ALA)》を出せることと較べればまったくたいしたことはない。モンクは単体で7枚スタートのZooデッキを無力化できる――ましてや5枚スタートなら。すっかり意気消沈のZafraは2体目のゴイフを出してターンを返す。次の戦闘でライフ差は21-11となり、どんなZooデッキでも厳しい状況だ。Zafraはすぐにでも何か必要なものを引いてこなければならない。

 Zafraは《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler(ALA)》で粘ろうと試みるが、Levyは落ち着いてそれをカウンター、結果としてゴイフが+2/+2を得る。2体のゴイフでLevyのライフを14に減らしてZafraはターン終了。「《流刑への道/Path to Exile(CON)》持ってるんだよね」とばかりに白マナを残しているネイティブ・フィリピーノに向かって《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》の力を借りた戦修道士が5点パンチ。Zafraは土地をタップしたり起こしたりするそぶりを見せるが、結局ダメージを受けた。

 状況はZafraにとってまさに絶望的。それでもサイドの《デュルガーの垣魔道士/Duergar Hedge-Mage(EVE)》でLevyの《不忠の糸/Threads of Disloyalty(BOK)》を破壊するタイミングをうかがっていくZafraだが、Levyはただ《梅澤の十手/Umezawa's Jitte(BOK)》を出して戦修道士で再びアタックする。それは2体目の《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》によってさらにパワーアップしていた。Zafraは複数ブロックでしのいで次のターン、なんとか状況を整えようと試みるのだが、起動された《樹上の村/Treetop Village(10E)》がその緑のお友達から賛美ボーナスを受けてZafraに止めをさした。

Zafra 1 - 2 Levy

PTオースティン09 カバレージ トップへ 原文(英文記事)へ