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ビル・スターク
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| ロバート・ユルコビッチは勝利と親しい |
いよいよ迎えた、スイスラウンド最終戦。 清水直樹(東京)と、スロバキアからやってきたロバート・ユルコビッチがフィーチャーテーブルに着席した。
この試合に勝利したプレイヤーは、勝利と共に『プロツアーTop8進出』という歓喜を手にする。 しかし、それが許されるのは、このテーブルに座っている2人のうち、1人のみ。
両者にすさまじい重圧が掛っている戦いが、いま始まろうとしている。
ロバートが使用するデッキは、チェコ共和国のスター選手であるマーティン・ジュザが調整した青黒の《暗黒の深部》+《吸血鬼の呪詛術士》デッキ。 デッキ提供者であるマーティン・ジュザもRound15が終了した時点でTop8進出をほぼ確実なものとする好成績で、今話に挙がった2人は、60枚のデッキを武器に、この『プロツアー・オースティン』で大暴れしていると言っていいだろう。
対する清水直樹も、ロバートのデッキに匹敵する程に強力な、『発掘』デッキというストラテジーで勝ち上がってきた。
試合開始前にデッキをシャッフルしている最中、清水はここ数年のプロツアーを回って手に入れた数々の記念品(ハリウッドの鞄や、ベルリンのデッキケースなど)を見せて、「このオースティンでも"何か"をゲットしないとね!」と笑みを浮かべながら宣言してくれた。
もし、彼がこのラウンドに勝利したならば、プロツアーのトロフィーを記念品として持って帰れるかもしれない!
そんな清水とは対照的に、ユルコビッチは非常に静かで、ステージのライトの下、神経質になっているようにも見える。 清水がマリガンを宣言しても、ユルコビッチに感情の変化は感じられなかった。
さて。どちらのプレイヤーのデッキが、よりパワフルなのだろうか?
ロバートのファーストアクションとなった《強迫》は、 非常に稀なケースなのだが、彼にとって非常に悪い出来事となった。
《強迫》で捨てさせることの出来る「土地でもなく、クリーチャーでもない」カードは、清水の手札に《黄泉からの橋》のみで、それを捨てさせるしかなかったのだ。
対する清水。 第1ターン目に《緑探し》を戦場に展開すると、2ターン目のアップキープステップに《緑探し》の能力を起動。 その能力によって《ゴルガリの墓トロール》を墓地に送りこみながら《沼》を獲得すると、ドローステップでのドローを《ゴルガリの墓トロール》の「発掘」に置換。 これによって《ナルコメーバ》《戦慄の復活》というカードを含む6枚のカードを「発掘」する。
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| それは清水直樹も同じこと |
ロバートは第2ターン目に《闇の腹心》をキャストしてターンを返すのだが、このゲーム展開は清水にとって嬉しい流れだろう。
清水は自分のターンを迎えると、先程と同じようにアップキープステップに《緑探し》の能力を起動。 基本土地を獲得しながら《ゴルガリの墓トロール》を墓地に送り込み、ドローステップのドローを「発掘」。 今回は、《ナルコメーバ》《エメリアの盾、イオナ》《炎の血族の盲信者》等といったカードが「発掘」される。
既に、清水の場には《戦慄の復活》のフラッシュバックに必要な3体をクリーチャーが揃っている。 墓地には、リアニメイトしたい神話レアの他にも《黄泉からの橋》もあるという”GO!”な状態である。
もちろん、清水は《エメリアの盾、イオナ》をリアニメイト。 その能力によって、『青黒』デッキを使用するロバートの『黒』を封印した後に、《バザールの大魔術師》を戦場に追加してロバートにターンを返す。
ようやくロバートにターンが返ってくるが、引いたカードは《涙の川/River of Tears》。それは、絶望的な状況となっている彼が期待していたようなミラクルな解決策ではなく、彼に出来ることは、2ゲーム目・3ゲーム目を行う時間を考えて、このゲームを投了することだけだった。
清水 1-0 ロバート
両者とも、初手をキープ。 先攻のロバートがプレイした《思考囲い》で、ゲームが開始された。
これによって公開された清水の手札は、《新緑の地下墓地》×2枚・《バザールの大魔術師》×2枚・《面晶体のカニ》・《留まらぬ発想》・《暗黒破》という内容。
ロバートは、この中から、1ターン目にキャスト出来るカードであり、「発掘」デッキを循環させる元となる《面晶体のカニ》のディスカードを選択してターンを終了する。
ロバートの《思考囲い》で勢いを削がれた清水は《新緑の地下墓地》をセットするのみで第1ターンを終えるのだが、ロバートも《地底の大河》を置くだけで第2ターンの終了を宣言する。
ロバートの手札には、キャスト出来る《闇の腹心》があるのだが何故?
それは、先程の《思考囲い》によって清水の手札に《暗黒破》があることが確認されているから。 ロバートの手札には、更に《暗黒の深部》+《吸血鬼の呪詛術士》という「爆弾コンボ」のカードも揃っていたのだが、《暗黒破》の妨害を受けない為に、両方のカードを一気にプレイ出来るタイミングになってから仕掛ける必要性があったのだ。
見えない形で、地味に《暗黒破》が活きた清水。 土地をタップアウトしての《バザールの大魔術師》をキャストして、エンドするのだが。
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| デッキチェックかゲーム中か、判断はお任せ |
ロバートは、ここで先攻のアドバンテージを活かして一気に仕掛ける。 《暗黒の深部》と《吸血鬼の呪詛術士》の「爆弾コンボ」を決め、【20/20】の「飛行+破壊されない」トークンを戦場に製造。
清水は、ロバートの次のターンまでに解決策を用意する必要があり、それが出来なければ敗北だ。 大きな溜息と共にアンタップする。
次に、アップキープに《バザールの大魔術師》の能力を起動。 この能力により《ゴルガリの墓トロール》を墓地に送り込み、この《ゴルガリの墓トロール》をドローステップのドローで「発掘」……。
結果、これによって《黄泉からの橋》・《ナルコメーバ》・2枚目となる《ゴルガリの墓トロール》が「発掘」され、《ナルコメーバ》が一時的なブロッカーとして立ち塞がることによって、清水は1ターンの猶予を確保することに成功する!
しかし、このターンの物語はこれで終わりでは無かった。 清水が《残響する真実》を【20/20】トークンにキャストすると、ロバートはゲームの状況が「ブロッカーが1ターンの猶予を稼ぐ」といった自分有利な物では無かったことを知ることとなったのである。
先程までは清水が戦っていた『試合の主導権を取りかえす』という重荷が、ロバートに返ってくる。
ロバートは《闇の腹心》をキャストするのだが、頭を横に振り何かを否定するような仕草をしており、それは積極的に見える様なものではない。
ゲームの主導権を握った清水が、アンタップする。 そして、《バザールの大魔術師》と複数の《ゴルガリの墓トロール》によって、大量のカードをライブラリーから一気に「発掘」。
準備は整った。 清水は3体の《ナルコメーバ》をコストにして、《戦慄の復活》のフラッシュバックで《エメリアの盾、イオナ》をリアニメイト。 ロバートの『黒』いスペルを禁止すると同時に、《黄泉からの橋》の能力によって9体の【2/2】のゾンビトークンが戦場に登場する。
もしロバートに《エメリアの盾、イオナ》に対処出来る『青』い呪文があるとしても、生き残る為には、更にゾンビトークンの軍勢にも対処する必要があるだろう。
ロバートは、自分の『プロツアー オースティン』が終わったことを悟り、受け止め、うなずくと、心からの握手で対戦相手を祝福してデッキを片づけることとなった。
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清水 2-0 ロバート