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ジョシュ・ベネット
2009年10月16日金曜日
ザック・ホールはいつの間にかプロツアーに定着していた。横浜を皮切りに7つのプロツアーに参加し、コンスタントに賞金を手にし、そのうち2回はトップ32に名を残していた。この週末にもこの記録を伸ばしたい彼にとって、その携えている改良版の《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》+《暗黒の深部/Dark Depths》デッキはトップ入りの加速を与えてくれるものだった。
彼の向かいに座ったのはガブリエル・ナシフ、かつて「イエローハット」と呼ばれた男。予想を裏切ることなく、彼はシナジー満載の奇妙なコントロール・デッキを手にしていた。
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| ザック・ホールがいるとフィーチャー・ マッチ・エリアは上品になる |
ホールは初手に《思考囲い/Thoughtseize》を放ち、ナシフの秘密を暴く。《マナ漏出/Mana Leak》2枚、《けちな贈り物/Gifts Ungiven》、《炎渦竜巻/Firespout》、《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》を含む土地3枚、の中から《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を選んだ。ナシフが《蒸気孔/Steam Vents》をタップ状態で出すと、ホールは《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》と《闇の腹心/Dark Confidant》を出していく。
ナシフは《マナ漏出/Mana Leak》を握ったまま、《闇の腹心/Dark Confidant》から2点くらう。また、ホールはこの《闇の腹心/Dark Confidant》から《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》を引き当てていた。ナシフはアンタップし、《闇の腹心/Dark Confidant》を《炎渦竜巻/Firespout》で除去しようとするが、ホールの手にはもう一枚あった。その後もう一枚のフェッチ・ランドをタダで手にし、ナシフを殴って残り14点。2マナ払って《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》を唱える。ナシフは少し考えて、そして通した。終了ステップに、4マナ使って《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を解き放つ。並べたのは、《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》《弱者の剣/Sword of the Meek》《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》《壌土からの生命/Life from the Loam》。
だが、ホールは既に準備を整えていた。彼は《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》と《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》を選び、そして《引き裂かれた記憶/Shred Memory》で両方とも除去したのだった。
「畜生」ナシフはつぶやく。
ナシフはアンタップし、少し考える。4マナ使って《撤廃/Repeal》、《闇の腹心/Dark Confidant》を除去してターンを返す。ホールは《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》を刻印して《金属モックス/Chrome Mox》を唱え、《引き裂かれた記憶/Shred Memory》を《不気味な発見/Grim Discovery》に変成する。そして再び《闇の腹心/Dark Confidant》を唱えるも、《呪文嵌め/Spell Snare》でぴしゃりと止められる。ナシフは《知識の渇望/Thirst for Knowledge》を唱え、剣を捨てて今引いたばかりの《島/Island》をプレイした。
《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》のクロックがゆっくりと時を刻み、ナシフのライフは残り10。ホールの《不気味な発見/Grim Discovery》が《闇の腹心/Dark Confidant》とフェッチ・ランドを引き寄せる。ナシフは6つめの土地をプレイし、《トレイリア西部/Tolaria West》を《幽霊街/Ghost Quarter》に変成し、そしてアンタップ状態の土地を3つ残す。ホールはフェッチ土地を起動し、新しい《闇の腹心/Dark Confidant》を呼び出した。ナシフは《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》を2で唱えてホールの戦場を流し、《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》を戦場に出していく。
ホールはもう一体の《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》を出したが、ナシフの動きは止まらない。《壌土からの生命/Life from the Loam》で《トレイリア西部/Tolaria West》とフェッチ・ランドを手に戻し、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》へ変成。《思考囲い/Thoughtseize》でたたき落としたが、その時点で手札には《マナ漏出/Mana Leak》2枚に《流刑への道/Path to Exile》、《金属モックス/Chrome Mox》が残っていた。ホールは《大霊堂の戦利品/Spoils of the Vault》で《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler》を指定した。5枚が落ちた次にそのカードが顔を出し、ホールはすぐに唱える。黙って通したナシフの手から《流刑への道/Path to Exile》が盗まれた。
ナシフはアンタップし、ホールの動きを止めに入る。《壌土からの生命/Life from the Loam》を発掘し、《トレイリア西部/Tolaria West》を戻し、それで《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》がさらに手に入る。そして《金属モックス/Chrome Mox》の力を借りて2点で爆発。ナシフはこれでタップアウトするものの、ホールはただ《暗黒の深部/Dark Depths》を出しただけ。しかもそれも、ナシフのターンに《幽霊街/Ghost Quarter》で始末されてしまう。
最後には、ナシフは奥の手を見せつけた。《罰する火/Punishing Fire》だ。《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》2枚を使い、ゆっくりと慎重に1点のダメージを重ねていく。《引き裂かれた記憶/Shred Memory》で止められても、すぐに3つめが顔を出す。ホールは《女王への懇願/Beseech the Queen》でデッキを確認すると、カードを片付けた。
ナシフ 1 - ホール 0
「なんだその(ピー)なデッキ」とザックが言えば、
ナシフは肩をすくめて「イケてるだろ」と答える。
「神話やズー相手にどうするのさ」「勝率は五分五分かな。サイドボード後なら余裕」
「3勝してリミテッドに逃げ込めればいいんだけど」と言うザックに、ガブリエルは「構築こそ華だよ」と答える。
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| ガブリエル・ナシフの燃え柳コントロール・デッキはメタゲームの正解かもしれない。が、副作用に頭痛を伴うのだ。 |
ホールは今回も2ターン目に《闇の腹心/Dark Confidant》からスタート。ナシフはさっそく《罰する火/Punishing Fire》で除去していく。ホールが《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》から1点得たのはいいとして、代わりに出てきたのが《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》。ナシフはもう一枚の《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》を出してターンを返す。
ホールはアンタップすると、《根絶/Extirpate》で《罰する火/Punishing Fire》を指定。しかしそこで大番狂わせが。刹那にも関わらず、《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》のマナ能力は起動でき、《罰する火/Punishing Fire》の誘発型能力がスタックに積まれ、そしてするりと逃げ延びた。ナシフは悠々と《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》を除去していく。《幽霊街/Ghost Quarter》を使って残りの土地は《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》2枚と《島/Island》。さらに《壌土からの生命/Life from the Loam》で回収して再利用に備える。ナシフは《神聖なる泉/Hallowed Fountain》を引き寄せ、《幽霊街/Ghost Quarter》に続いて《知識の渇望/Thirst for Knowledge》で《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》を捨てる。デッキにはもう一枚《島/Island》(もちろん《冠雪の島/Snow-Covered Island》)が入っているのだ。
ホールは《露天鉱床/Strip Mine》ゲームを楽しみながら《壌土からの生命/Life from the Loam》を発掘して唱える。ここでナシフは《マナ漏出/Mana Leak》で止めた。ターンが回ってきたところで《翻弄する魔道士/Meddling Mage》を唱え、《壌土からの生命/Life from the Loam》をベンチに送り、さらに《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》を出していく。ホールは《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》で攻撃し、《暗黒の深部/Dark Depths》をプレイする。ナシフは《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》を片付けるのに《罰する火/Punishing Fire》を使うが、マリット・レイジがついに顕現することに。
ナシフは慌てもしなかった。手札には《流刑への道/Path to Exile》が待っていたのだ。《トレイリア西部/Tolaria West》で《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》を出すと、状況はますます意味不明になっていく。ホールは《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler》を唱えるも、ここには《呪文の噴出/Spell Burst》。ホールはもはやナシフのカード群についていくこともできない。《知識の渇望/Thirst for Knowledge》で《金属モックス/Chrome Mox》を捨て、ナシフは《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を手に入れた。
ホールは変成で《不気味な発見/Grim Discovery》を引き、コンボの両要素を引っ張ってくる。しかしナシフの《けちな贈り物/Gifts Ungiven》はその上を行き、コンボの終わりを告げた。《弱者の剣/Sword of the Meek》、《撤廃/Repeal》、《流刑への道/Path to Exile》、《謎めいた命令/Cryptic Command》。《弱者の剣/Sword of the Meek》と《流刑への道/Path to Exile》を手に入れたが、《弱者の剣/Sword of the Meek》がどこに行くかはもはや重要ではなかった。彼のターン、《弱者の剣/Sword of the Meek》を唱え、飛行機械を出してライフを得、《弱者の剣/Sword of the Meek》が手札と戦場を往復する。あの《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》でさえこうはいかない。
飛行クリーチャーが10を超え、ホールは手札を広げて見せた。
ナシフ 2 - ホール 0
試合後、彼らはこのマッチアップがホールにとって最悪の物であったという意見で一致した。ナシフ曰く、ホールの出来得たことは出来る限り攻撃的にコンボを進め、ナシフが対抗手段を引かないように祈ることだけだった、と。