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そいつはスピリット


2009年10月18日



パウロ・ヴィッター・ダモ・ダローサ((《暗黒の深部》) vs. 池田剛(幽体Zoo)


プロツアーの重鎮、池田剛とパウロ・ヴィッター・ダモ・ダローサ

 プロツアーの世界ではおなじみの池田剛とパウロ・ヴィッター・ダモ・ダローサ。パウロにとって今回が5回目のプロツアートップ8入りで、2012年からの殿堂候補入りに向けて着々と準備を進めている。池田は驚くことにそのツアーの参戦回数は50回以上(!)におよび、今回のトーナメントに参加するまでに稼いだ生涯獲得プロポイントは269点だ。これまでに彼よりも多くのポイントを稼いでいるが殿堂入りしていないプレーヤーは、斎藤友晴と中村修平の二人の日本人(ちなみに彼らが殿堂候補の資格を得るのはそれぞれ2010年と2011年だ)、そしてオランダの古豪ブラム・スネップバンガーズの3人だけだ。

 試合が始まる前に、この歴戦の勇士達はお互いに自分の不利を嘆いていた。パウロにとっての脅威は池田の速攻だ。第1ゲームを《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》と《虚空の杯/Chalice of the Void(MRD)》に対処できる《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》、《流刑への道/Path to Exile(CON)》、《幽体の行列/Spectral Procession(SHM)》で、さらに2本目以降は《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》と《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》がそれに加わると、マリッドレイジ・トークンが20点のダメージを与える前に負けてしまうのではないか。

 一方で池田は、パウロのブン回り、撹乱、そして致命的なアーティファクト群によって勝負があっさり決まることを恐れていた。


第1ゲーム

 ダイスロールに勝ったのはパウロで、1ターン目の《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》から2ターン目の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》と繋げる池田に対して《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》を《撤廃/Repeal(GPT)》して20点のライフを維持する。3ターン目に、マナを必要としていたパウロは《女王への懇願/Beseech the Queen(SHM)》を《金属モックス/Chrome Mox(MRD)》に刻印しつつ《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》も《撤廃/Repeal(GPT)》する。池田もこれらを再展開するのみでターンを返した。

 パウロは《交錯の混乱/Muddle the Mixture(RAV)》のために青マナを2つ立たせながら《暗黒の深部/Dark Depths(CSP)》と《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage(ZEN)》を揃えた。この時すでに彼の手札には《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》が握られていて、延命を図ろうとする池田の《幽体の行列/Spectral Procession(SHM)》をどかして20/20トークンで第1ゲームを先取した。

 パウロ 1 − 池田 0


第2ゲーム

 池田が第2ゲームを《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》から始めた一方で、パウロは《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》で《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》を奪い取り、《稲妻/Lightning Bolt(M10)》、《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》、もう1枚の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》が残された。池田は《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》を追加するが、《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》は《撤廃/Repeal(GPT)》されてしまう。パウロは土地を置くのみでターンを返したため、池田にこの試合で初めてダメージを与える機会が与えられた。《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》の攻撃でライフが15に落ち、さらに《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》と《密林の猿人/Kird Ape(9ED)》を追加した。


池田はデッキの幽体Zooたる所以を見せ付ける

 パウロは《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》をx=1で設置してターンを返す。少考の後、池田は《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》のみを攻撃に送り出し、ターン終了時に《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》が起動された隙に《稲妻/Lightning Bolt(M10)》を打ち込んでパウロのライフを9にまで削り落とした。

 戦闘と《稲妻/Lightning Bolt(M10)》、そしてフェッチランドの起動でお互いのライフは残り6点だ。池田の側には《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》が、パウロには《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage(ZEN)》が立っている。

 《交錯の混乱/Muddle the Mixture(RAV)》を変成した《破滅の刃/Doom Blade(M10)》で道が抉じ開けられ、《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage(ZEN)》の攻撃で池田のライフは残り4に。しかしここで池田の《幽体の行列/Spectral Procession(SHM)》が通り、残りライフが4しかないパウロに強烈なクロックが突き付けられる。

 《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage(ZEN)》の攻撃はスピリット・トークンに阻まれたため、池田のライフは4のままだ。その返しで残った2体のトークンが攻撃してパウロのライフは2に落ち、次のターンに勝負が決まろうかというところ・・・

 ・・・だったがここでパウロは《暗黒の深部/Dark Depths(CSP)》をトップデッキ!落胆する池田はターンを返す他なく、マリッド・レイジが戦場に降臨する。さらにパウロは続くターンに《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》もトップデッキし、池田軍を一掃した上で20/20トークンが戦場を駆け抜ける。試合はパウロが2−0でリードする形となった。

 パウロ 2 − 池田 0

 もしフェッチランドの起動がもう1回だけ少なかったら、池田は《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage(ZEN)》の攻撃をチャンプブロックせずに済んだわけで《幽体の行列/Spectral Procession(SHM)》のトークンも生き残っていたはずだ。そうであれば続くパウロの20/20トークンも恐れず攻撃ができたし、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》を引かれる前に勝負を決めていただろう。


第3ゲーム

 1ターン目に何もすることがない池田を尻目に、パウロは《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》で2枚の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》、《幽体の行列/Spectral Procession(SHM)》、土地という内容の手札から《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》を捨てさせる。池田は《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を引き込んで場に送り、パウロは《交錯の混乱/Muddle the Mixture(RAV)》を《金属モックス/Chrome Mox(MRD)》刻印してから《トレイリア西部/Tolaria West(FUT)》で《暗黒の深部/Dark Depths(CSP)》を変成した。

 池田は3枚目の土地を置いてから《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》を追加し《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》で攻撃し、《金属モックス/Chrome Mox(MRD)》の破壊はしなかった。

 パウロは《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage(ZEN)》で《金属モックス/Chrome Mox(MRD)》の破壊を誘うが、その代償に《幽体の行列/Spectral Procession(SHM)》を《交錯の混乱/Muddle the Mixture(RAV)》することはできなかった。

 続くターンに池田は2枚目の《幽体の行列/Spectral Procession(SHM)》を通し、3体のスピリット・トークンと《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》で攻撃する。《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》は20/20トークンに阻まれ、3点が与えられてパウロのライフは10に。3枚目の《幽体の行列/Spectral Procession(SHM)》はさすがに《交錯の混乱/Muddle the Mixture(RAV)》されるが、《地底の大河/Underground River(10E)》からのダメージもあって4体のトークンの攻撃でライフは6に落ちる。

 さらにもう1回の攻撃と、《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》によって、試合は第4ゲームに移行した。

 パウロ 2 − 池田 1


第4ゲーム


3体の1/1フライヤーよりも強いものって?とりあえず1体の破壊されない20/20フライヤーかなぁ

 パウロは《地底の大河/Underground River(10E)》と《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》でライフを17に減らしながら《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》を奪ったが、《田舎の破壊者/Countryside Crusher(MOR)》、《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》、《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》、2枚の土地は池田に残してやった。

 「ああ、どうやらゆったりした展開にしたいようだね」と池田は笑っているが、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》は致命的な《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》を引っ張ってこれることを彼は知っている。

 《撤廃/Repeal(GPT)》で時間を稼ぐものの、一刻も早くパウロは《暗黒の深部/Dark Depths(CSP)》と《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage(ZEN)》を探し出さなければならない。十分な時間を与えられた池田は《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》と《田舎の破壊者/Countryside Crusher(MOR)》で攻撃し、パウロのライフは7という危険水域に落ち込んだ。

 ようやくパウロがコンボを成就させたと思ったら、既に池田は《流刑への道/Path to Exile(CON)》を準備していた。池田が2本を取り返して、決着は5本目にもつれ込んだ。

 パウロ 2 − 池田 2


第5ゲーム

 最初の7枚を見て悶えるパウロは、結局マリガンを選択する。6枚の手札も良いものではなく、さらに5枚にまで減らさざるをえない。


観衆に挨拶する池田剛

 5枚の初手からパウロはx=1の《虚空の杯/Chalice of the Void(MRD)》というロケットスタートを切った。これで《流刑への道/Path to Exile(CON)》と《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》を封印し、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》も《不忠の糸/Threads of Disloyalty(BOK)》で奪い取る。3ターン目に池田は《田舎の破壊者/Countryside Crusher(MOR)》を送り込み、一方でパウロは《交錯の混乱/Muddle the Mixture(RAV)》で《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage(ZEN)》を変成した。

 墓地に2枚の土地が置かれている状況の《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》はパウロにとって大きなプレッシャーで、召喚酔いが解けるとそいつはすぐさま《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》を運んでくるに違いない。しかしこれに対処できないパウロはターンを返さざるをえない。

 明らかに池田はパウロがサイドボードから投入した《滅び/Damnation(PLC)》を警戒していて、場に何も追加することなくターンを返した。《交錯の混乱/Muddle the Mixture(RAV)》から変成した《破滅の刃/Doom Blade(M10)》で《田舎の破壊者/Countryside Crusher(MOR)》が葬られるものの、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》によって《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》が導かれてしまう。

 《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》は一旦《撤廃/Repeal(GPT)》されるが、池田はこれを追加の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》と共に再び出し直す。ここで残されたアンタップ状態の土地が《幽霊街/Ghost Quarter(DIS)》のみとなったことを受けて、パウロはx=2で《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》を炸裂させ、池田に《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》を起動するかどうかの選択を迫る。

 結局池田は《虚空の杯/Chalice of the Void(MRD)》の破壊を選んだ。パウロの《暗黒の深部/Dark Depths(CSP)》と《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage(ZEN)》は20/20トークンをもたらしたのだが、それは実にあっさりと《流刑への道/Path to Exile(CON)》によって排除された。

 《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》は《殺戮の契約/Slaughter Pact(FUT)》で対処したものの、続く《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》と《幽体の行列/Spectral Procession(SHM)》をパウロは対処することができなかった。こうして池田が準決勝に駒を進めることとなった。

 池田剛がパウロ・ヴィッター・ダモ・ダローサに3−2で勝利、準決勝進出!

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