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幽霊街


ジョシュ・ベネット

2009年10月18日日曜日




ブライアン・キブラー (ルビンZoo) vs. エヴァンジェロス・パパサロウチャス (《超起源》)


準々決勝で再会を果たしたキブラーとパパサロウチャス

キブラーがねだる。「カバレッジでオレの音楽のことも書いてよ!」

プロツアーのお供にお気に入りの音楽を持参するブライアン・キブラー、毎ラウンドの開始前にイヤホンで聞き、集中力を高めているらしい。今回のチョイスはLangeの“Off the World”、トランスの曲だ。(もう一曲のArmin van Burenについてはノーコメント)

ギリシア選手のエヴァンジェロス・パパサロウチャスは、その手の習慣はない様子。普通にシャッフルし、ギブラーが自分の世界に入る前のおしゃべりを楽しんだ。この二人は前日の第15ラウンドでも対戦しており、その時はギブラーがプレイミスして敗れている。パパサロウチャスの《超起源/Hypergenesis》デッキ相手には、小さなミスも許されないだろう。ただ、今度は5本勝負だし、キブラーのサイドボードにも妨害手段は用意されているはずだ。

第1ゲーム

ダイスロールで先手を取ったキブラーは《野生のナカティル/Wild Nacatl》でスタート、パパサロウチャスにターンを譲る。

尋ねてキブラー、「で、オレはもうトぶ?」

「まだだね」応えてパパサロウチャス。

「《野生のナカティル/Wild Nacatl》でアタックできるの?やったぜ!」

パパサロウチャスは土地をプレイし、キブラーの3点アタックと次のナカティルを見やる。そしてそのあとは、お待たせしましたと動いた。《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》と《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》から《暴力的な突発/Violent Outburst》で《超起源/Hypergenesis》につなげる。《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》と《絶望の天使/Angel of Despair》が降臨、キブラーは3体目のナカティルを天使に捧げ、ヘルカイトの5点を受けた。

キブラーは2体のナカティルで攻撃し、パパサロウチャスは6点を受け入れる。《稲妻/Lightning Bolt》と《罰する火/Punishing Fire》で天使を落とし、《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》で拾うのも忘れない。だが、パパサロウチャスのファッティは途切れない。《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》でキブラーにトークンを与えつつ、《献身的な嘆願/Ardent Plea》で2枚めの《超起源/Hypergenesis》を唱える。新たな《絶望の天使/Angel of Despair》が次の猫を襲い、キブラーのもとにはアタッカーが1体だけ残った。

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ブライアン・キブラー、自らを励起する

パパサロウチャスは両方の怪物をけしかけ、キブラーは《稲妻のらせん/Lightning Helix》と《罰する火/Punishing Fire》で天使を焼く。フェッチ土地を使うと、残りライフは2点。

「今ここで《悪斬の天使/Baneslayer Angel》が引ければ」とキブラー、だがその祈りは届かなかった。

エヴァンジェロス・パパサロウチャス 1 - ブライアン・キブラー 0

サイドボードしながら、それぞれのTop8までの経緯を話し合う二人。キブラーの3敗したドラフトや、互いのデッキ構成なども話題にのぼる。キブラーは殿堂入りのBen Rubin派で、今回は《血染めの月/Blood Moon》入りのデザインを採用している。一方パパサロウチャスは《流刑への道/Path to Exile》などのカードを意識して《超起源/Hypergenesis》デッキをいじり、《大祖始/Progenitus》や《憤怒の天使アクローマ/Akroma, Angel of Fury》などを入れている。まさに15ラウンドでの試合で活躍したわけだが。

「皮肉なもんさ」とキブラー、「そっちのアクローマの直後に流刑を引いたんだぜ。いや、違うな、あれは皮肉と言うよりアンラッキーだったのか」


第2ゲーム

両者初手を6枚に減らし、キブラーはさらに5枚に。

「対策カードなしの初手は駄目だと思うんだ」とキブラー。

「わかるよ。これも色んなデッキ相手には即キープなんだけどね、そっちのに対してはどうかな」

キブラーの最初のターンに《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》と《炎渦竜巻/Firespout》を置きながらパパサロウチャス。

「それヤだなぁ。」とキブラー、「1ターンめで終わるの?」

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真剣な面持ちのパパサロウチャス

パパサロウチャス、「そんなすぐには決まらないって」

キブラーは《幽霊街/Ghost Quarter》を《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》に使い、パパサロウチャスは《菌類の到達地/Fungal Reaches》を置いた。《野生のナカティル/Wild Nacatl》、《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》の後、キブラーが《山/Mountain》、3/3のアタック、2枚めと動いた。

パパサロウチャスは《菌類の到達地/Fungal Reaches》をもう一枚プレイするのみで、色が足りないのか《超起源/Hypergenesis》はまだだ。再度アタックしてキブラーは《血染めの月/Blood Moon》でゲーム展開をロックしにかかる。やむなくパパサロウチャスは手札の《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》と《暴力的な突発/Violent Outburst》を使い、《超起源/Hypergenesis》で《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》を一枚だけ出した。キブラーは《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》を加え、ナカティルと合わせて5点分の的を用意する。

さて、これで試合の行方はわからなくなったと思われた矢先、パパサロウチャスが《炎渦竜巻/Firespout》でキブラーの場を一掃したのだった。

エヴァンジェロス・パパサロウチャス 2 - ブライアン・キブラー 0


第3ゲーム

二人とも初手の7枚をキープする。今回もパパサロウチャスは《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》を置き、《献身的な嘆願/Ardent Plea》を重ねる。キブラーは《湿地の干潟/Marsh Flats》を《寺院の庭/Temple Garden》に変え、《貴族の教主/Noble Hierarch》を唱えた。パパサロウチャスは《反射池/Reflecting Pool》をプレイしたが、《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》は無くターンを返す。それで充分のキブラー、《血染めの月/Blood Moon》で場を封じ込めた。

二人が《山/Mountain》を増やす間に、1点ずつ攻撃するキブラー。とうとう《野生のナカティル/Wild Nacatl》を引き当て、貴族のマナで唱える。あと少しで《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》のマナに届きそうなパパサロウチャス。キブラーは躊躇なく自らの猫に《流刑への道/Path to Exile》を使い、《平地/Plains》を探す。貴族と合わせて《悪斬の天使/Baneslayer Angel》が唱えられる。

パパサロウチャスの8枚目の土地は間に合わず、ヘルカイトは貴族に1点プレイヤーに4点。1ターン違ったら、どうなっていたことやら。キブラーは《流刑への道/Path to Exile》に値すると認め、2体目のヘルカイトは悪斬に敵わなかった。

エヴァンジェロス・パパサロウチャス 2 - ブライアン・キブラー 1

「そっちの先手であと2回勝たないといけないの?」とキブラー、「おねがい、《貴族の教主/Noble Hierarch》さま!」

「勝負の半分くらいは貴族次第だもんね」とパパサロウチャス。

「それが困ったことに、3枚なんだよな」


第4ゲーム

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負けじと真顔のキブラー

手早くシャッフルする両者。

笑顔でキブラー、「グッドラック、でも馬鹿ヅキは勘弁だぜ」

初手を見てマリガンするパパサロウチャス、「確かに、あまり良くないね」

キブラーも6枚に減らすことにした。パパサロウチャスが《宝石鉱山/Gemstone Mine》を置くと、すかさず《幽霊街/Ghost Quarter》で対処するキブラー。不幸なことに、ギリシア選手は次の土地をプレイできなかった。

キブラーは慌てずに《貴族の教主/Noble Hierarch》を出し、相手がディスカードをする間に、《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》を加える。そして、《血染めの月/Blood Moon》と《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》が揃うと、パパサロウチャスにゲームを続ける意味は無くなった。

エヴァンジェロス・パパサロウチャス 2 - ブライアン・キブラー 2


第5ゲーム

4ゲーム目の再現を狙い、パパサロウチャスの《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》と《反射池/Reflecting Pool》に《幽霊街/Ghost Quarter》を連打するキブラー。しかし、今度はパパサロウチャスも土地が続き、2枚めの《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》と《宝石鉱山/Gemstone Mine》をプレイする。

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その間にキブラーは《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》から《貴族の教主/Noble Hierarch》、《森/Forest》からもう一枚の貴族を唱える。パパサロウチャスはこのゲーム5枚目の土地をプレイし、《悪魔の戦慄/Demonic Dread》を唱える。《超起源/Hypergenesis》で《大祖始/Progenitus》と《絶望の天使/Angel of Despair》が戦場に出た。キブラーも充実した手札を並べる。《翻弄する魔道士/Meddling Mage》で《炎渦竜巻/Firespout》を指定、2枚めの魔道士で《化膿/Putrefy》、念のために3枚めも。当然どちらも手札にあるパパサロウチャス。

アンタップしたキブラーは《悪斬の天使/Baneslayer Angel》をたたきつける。2体の貴族で、毎ターン7点の絆魂だ。パパサロウチャスは《大祖始/Progenitus》で殴り、自身の天使でダメージレースに勝てそうだったが、キブラーは《流刑への道/Path to Exile》を見せる。二人は打ち合ったが、キブラーは絆魂で生き延びた。最後のドローも状況を打開できず、パパサロウチャスは手を差し出した。

ブライアン・キブラーがエヴァンジェロス・パパサロウチャスを3-2で下し、準決勝進出!

試合後に二人が気付いたのは、《絶望の天使/Angel of Despair》の能力を「してもよい」と勘違いしていた点だった。パパサロウチャスが《翻弄する魔道士/Meddling Mage》のどちらかを破壊していれば手札の呪文を唱えるかことができたし、あるいは《貴族の教主/Noble Hierarch》を減らして悪斬のダメージを減らせただろう。そうしていれば、勝者は違っていたかも知れなかった。

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