今週末の見所


Brian David-Marshall

2009年10月16日



このコラムが掲載されてから8、9時間後に、テキサスでプロツアーが開幕する。そう、2009年のプロツアーシーズン後半戦の開始だ。このプロツアーオースティンの結果によって、新発売されたセットであるゼンディカーが3つの環境をどう変化させたか、その境界がはっきりと見えてくるだろう。

 まずは今回のプロツアーの予選、そして直前予選に採用されたフォーマットであるスタンダードだ。このコラムを執筆しているのは直前予選の前だが、それが掲載される頃には結果が出ているはずだ。


 残された4つのプロツアーの招待権を巡って、地元プレーヤーと世界中から集まった旅行者達がゼンディカー後の新環境スタンダードを争うことになるだろう。おそらくそのデッキリストは即座にカバレッジに掲載されるだろうし、興味をそそるようなデッキがあれば、deck tech videoへの期待が高まるに違いない。もし現在の環境について知りたければ、先週末のStarCityGames主催の5Kスタンダードオープントーナメントのtop16のデッキについてMike Floresが考察しているのでそちらを見てほしい。どうやらブロック構築戦で行われたプロツアーホノルルの上位に見られたようなジャンドデッキが環境を支配してるようだが、仮想敵となるデッキリストが揃った上に1週間の調整があれは、環境から《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を駆逐することができるかもしれない。直前予選のためのカード収集に奔走するプレーヤーはきっとドラフトデッキの残骸から《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》をかき集めているだろう。2位のChristian Calcano'sが使っていたBoros Bushwackerデッキは実に素晴らしい調整が施されていた。

Christianは私の地元のプレーヤーだが、彼に関する余談を少しばかり話そうか。2位になった後に彼は自宅に戻って2回目のMagic Onlineのプロツアー予選に参加したそうだが、今度もまた決勝で敗退してしまったそうだ。

 ここで最後の権利をも逃してしまった場合でも、数々の併催イベントが君を待っている。ブースタードラフトからヴィンテージに至るまで多様なフォーマットの8人大会が開催されているが、それにはプロツアー本戦に参加している人もそうでない人も参加が可能だ。EDHの4人大会では、一人を倒すごとにゼンディカーのパックが2つずつ獲得できる。もしかしたら、私もついそれに参加してしまうかもしれない。

 その他の併催イベントとしては、金曜と土曜に開催される来年のプロツアーサンディエゴの予選、賞金$8,000のMagic Online Live Championship 、日曜日の$3,000ブースタードラフトチャレンジ、Super Friday Night Magic、32GB iPod Touchやゼンディカーのfoilセット、20枚のデュアルランドを賭けたトーナメントがある。アーティストのサイン会や、R&Dのメンバーによるチャンピオンチャレンジ、Mark Rosewaterを招いてのトリビアクイズ大会、その他のイベントも盛り沢山だ。プロツアーは権利を持ったプレーヤーのためだけのイベントだと誤解されているように私は思うが、このイベントは純然とした4日間に亘るマジックの集会だ。もし君がオースティンコンベンションセンターの近くにいるなら、今週末はこれらをきちんとチェックしておくべきだ。

 もちろん、家でカバレッジを読む人にとっては関心は本戦の結果に向いているに違いない。ミラディン以前のセットが外れた新エクステンデッド環境を解き明かした、最も聡明な最高のプレーヤーは誰なのか、それは金曜日以降に明らかになるだろう。友好色のフェッチランド、サイクリングランド、《霊体の地滑り/Astral Slide》、《激浪の研究室/Riptide Laboratory》は既に環境に存在しない。さらに、今回はゼンディカーとそれに収録されたzooに適したクリーチャーが使える最初のエクステンデッドの大規模なイベントだ。また今回はエクステンデッドで初めて続唱というシステムが使えるイベントでもあるが、《超起源/Hypergenesis》や《均衡の復元/Restore Balance》といった待機呪文をライブラリーから唱えるプレーヤーは存在するのか?またゼンディカーは新しいコンボデッキを生み出したのか?《暗黒の深部/Dark Depths》《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》【@リンク:http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?deckid=29967】は先週末の$5000レガシートーナメントでtop8入賞するだけの力があったが、エクステンデッドではどうだろうか。最初の数回戦のフィーチャーマッチを見れば新環境の様子を垣間見ることはできるだろうが、Deck Tech videoが見られるようになるのは土曜日以降になると思われる。というのも、プレーヤーは自分のデッキが初日から晒されるのをひどく嫌うからだ。

 エクステンデッド以外に、ゼンディカーを使用したブースタードラフトも行われる。果たしてプロ達はこの新環境をどう攻略するのか楽しみでならない。例によって上位卓の様子はDraft Viewerで特集するつもりだが、卓を囲む8人のプレーヤーは2日目進出のためにどのように知略を巡らせたか、それを感じ取ってほしい。Draft Tech videoの方も楽しみにしていてくれ。


 元ROYであり、暫定ながら今年のPOYの首位を走る渡辺雄也は、グランプリメルボルン【@リンク:】を制したことからもこの環境のドラフトを知り尽くしたプレーヤーの一人といえるだろう。これは渡辺にとって4回目のグランプリトップ8入賞で、これによって彼はPoYレースで5位からいきなり首位に躍り出た。渡辺と同じく40点のポイントを持って挑んだ元PoYの斎藤友晴もまた、3人のライバルを追い越すことに成功した。こうして二人の日本人が決勝戦を争ったわけだが、その結果渡辺がわずかながら2点の差で先んじている。 首位を譲ったGabriel NassifとLuis Scott-Vargasだが、彼らも再び首位に返り咲こうと今週末は奮闘するに違いない。Nassifはグランプリにほとんど参加しておらず、LSVも上位を争う他のライバルのように頻繁に世界を回っているわけではない。LSVはメルボルンの地で好成績で初日を折り返したにもかかわらず、2日目では早々に脱落してしまった。

 渡辺の活躍を見ていると、かつてヨーロッパのグランプリでトップ8入りを連発しプロツアーでも成功を収めたKai Buddeのことを連想してしまう。果たして渡辺雄也もプロツアーの英雄となりうるのか?もちろん必ずしもそうとは限らない。どっちに転ぶか賭けるかだって?そんなのお断りだ。


 Rookie of the Yearレースでは、私はBrad "FFfreaK" Nelsonの行方に注目している。彼はプロツアーホノルルで9位に入賞し、アメリカ選手権ではTodd Andersonと代表選手の座を賭けた3位決定戦に進出した。その時に稼いだ10点のプロポイントを持って今回のイベントに臨んでいる。 ホノルルまでの間にBradはMOのブロック構築PEで活躍していたために、この記事ではMO上の名前でのみ紹介されている。Luis Scott-Vargasや中村修平といった強豪とのフィーチャーマッチや、deck techビデオに登場してしまったことで彼の正体は簡単にばれてしまった。以降彼が毎週Channelfireball.comに寄稿する記事は、非常に高い人気を集めている。

 プロツアーでの成功によってBradのここ3ヶ月間の生活がどう変化したか、Bradに質問してみた。

 Brad曰く「一番の変化はみんなに名前を知られたことかな。そのせいでとても困ってるよ。僕は元々忘れっぽい人間なんだ。だから、みんなが『Hey Brad!』なんて声を掛けるようになったらその人が顔見知りかどうかわかんないんだ」とのことだ。

 このノースダコタ州のプレーヤーにとって、一夜での成功には数年の歳月が必要だったようだ。


「この間の厳しい練習のお陰で、アメリカ選手権とハワイでの成功があるんだ」とBradもこれに同意する。

「僕がプロツアーで勝つなんて到底達成できそうにないことだと思ってたよ。本当に突然の驚きで、まるで幽体離脱したような感じで、これが現実だと信じられなったね。そこからこの3ヶ月はあっという間だったよ」

今回のプロツアーでの目標について尋ねてみると、彼は即座に「全てのラウンドでベストをつくすことさ。僕はタイトな試合がしたいんだ。下手なプレイをしていてもマッチに勝つ事だってあるし、その逆もある。でもベストな選択ができるようになりたいね」と答えてくれた。

 下手なプレイをして勝つより上手なプレイをして負けたほうがいいということか?

「もちろん試合には勝ちたいよ。でも上手なプレイをして負けるよりその上で勝ったほうが当然いい。ほとんど勝ちが決まった状態でも、正確なプレイをすればその確率はさらに上がるよね。これが目標なのはそういうわけさ。もし本当に完璧なプレイングができて、それでも二日目に残れないようなら、僕にこれ以上できることはもう何も無いね。」

 Bradの考えでは、全てのマッチの勝利、敗北、引き分けから何かを学び取ることが重要らしい。

「これはとても重要なことだよ。中村修平とは8回戦目でマッチアップされたんだけど、彼は僕より圧倒的に強かった。試合に勝ったのは僕でそれは嬉しかったけど、彼の方が僕より明らかに上手かったよ。僕はまだ彼のレベルに至っていないし早くそうならなければならない。僕が勝てたのは、こっちの手札がたまたま彼の手札より強かったからだ。試合はすごく楽しい。プロツアーでLuis Scott-Vargasや中村修平の前に座って勝負する時なんて最高だよ。特にそれが初めての場合ならね。」

 今週末に最初のプロツアーを経験するプレーヤーには、Bradの弟分でありMOではFFfreaKsLittleBro として知られるCorey Baumeisterも含まれている。


 ハワイで一緒に話した時は弟の方が上手だとBrad は嘆いていたが、彼曰く「二人で一緒に参加するのはこれが始めてだね。明確なメタゲームに裏打ちされた情報を持って席に座ると、弟の方が僕より正確なプレイができるんだ。ただ理論的な面では僕の方が優れているから、僕がデッキを彼に提供してそれで彼は勝っているんだ。」

 Coreyはレーティングによる招待を受けての参加だが、彼はミネソタの$5K Standard Opeで優勝し翌日のPTQでも2位という結果を残している。

「彼は18-1-2という結果を残して今回と世界選手権の権利のためにレーティングを稼いだのさ!超!エキサイティン!」とこの兄貴は興奮気味だ。

 ここには興奮することがいっぱいだ。ぜひ君のブラウザはカバレッジを開いた状態にしておいてくれ。Randy Buehler と私によるDeck Techs、Draft Techs、Quick Question interviews、さらにMonty Ashley、Josh Bennett、Randy Buehler、Greg Collins、Kelly Digges、Craig Gibson、Rich Hagon、Bill Stark, そして私といったカバレッジスタッフが常に最新の情報をお届けしよう。 なおLive Webcast の方は日曜日の 午前11:45から開始予定だ。


おめでとう、そしてありがとう!

 先週末にパサディナでカバレッジライターのToby Wachterが新婦Maureen Ryanと結婚式を挙げた。二人とも、結婚おめでとう。私も一介のマジックプレーヤーで介添人として式に参加したのだが、私は非常に嬉しかった。(面白いことに、ある介添人に関する話なんだが、彼自身はマジックを遊ばないんだがその彼女はマジックをやってるんだってさ)式が始まるまで部屋には緊張感が漂っていたが、突然Tobyはゼンディカーでドラフトがしたいと言い出したんだ。私達はパサディナにあるGame Empireという店にパックの買出しに行くと、普段は店内のトーナメント用にしか置いていない基本地形を店主らはドラフト用にと気前良く分けてくれたのさ。何て素晴らしい店なんだろうか。パサディナで結婚式をする前にドラフトがやりたくなったら、その時はぜひこの店まで足を運んでみてくれ。

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